数年ぶりの対面開催!ママとモンテ♫

実に約4〜5年ぶりとなる、対面での開催。
この「ママとモンテ♫」は、2017年のカーサ・デ・バンビーニ開園当初から1ヶ月〜2ヶ月に1回のペースで行っている、大人のためのモンテッソーリ教育勉強会です。
当時は、一般向けに行っていたセミナーですが、
ここ数年は、カーサ・デ・バンビーニ、RIVERWALKこどもの家でお預かりさせていただいている子どもたちのご家庭向けに定期開催していました。
園での保育の様子を伝えたり、私たちが取り入れているモンテッソーリ教育の理解のために、保護者の皆様と一緒に勉強しています。
しかも、2020年からはめっきりオンラインになってしまっていましたね。
とても便利だと思ってよく使っていましたが、
一方で、画面上だけで伝えられる限界も感じていました。

今回、久しぶりの対面開催をして、やっぱりいい!!
狭い園内ですが、実際の保育室の設定を見てもらうことや、実際に顔を合わせて言葉が届けられること、リアルな教具に触れること、いいことずくしでした。

0-3歳のRIVERWALKこどもの家から、
3-6歳のカーサ・デ・バンビーニへ、
移行してくるにあたっての、移行説明会も兼ねていました。


0-3歳と、3-6歳。
モンテッソーリ理論では、第一段階と呼ばれる子どもたち。
同じ段階にいながら、0-3と3-6のサブ段階に分けなければならないほど、
その発達は違っています。
日本の保育園でも、子どもの人数による保育士配置基準を見れば、
2歳までは、子ども6人につき保育士1人、
3歳は、20人につき1人、
4~5歳児にいたっては30人に1人と、
その発達の違いによってかかる手や保育教育の方法も変わってくるのが想像できますよね。
モンテッソーリの教員免許も、0-3レベルと3-6レベルは別々のトレーニングコースがあり、免許も分かれています。

ということで、モンテッソーリ教育視点絡みた、そのアプローチの違い、見方や支援の違いなどを丁寧に説明させていただきました。

そして目玉の「プレゼンテーション」実演も!
3-6歳の子どもたちが、実際にモンテッソーリ教具を使って、
どんな風に活動しているのか、
大人に見てもらうだけでなく、体験してもらいいました!!



私から紹介したのは、数の十進法の教具。
数を、数字から入るのではなく、
具体的なものを使って、
1、10、100、1,000 の形や重さの違いを手に取って見ます。
右手には1を、
左手には1000を置けば、
その重さ、視覚的な違いは火を見るより明らか。
点(1)、線(10)、平方(100)、立法(1000)になって行く様子は、
小学校課程の平方根や立方根にも繋がっていきます。
紙に書かれた数字だけの世界では体験できない、
モンテッソーリ教具ならでは(独特な)数の実体験。


手に取った時に教具が教えてくれるあの感覚、
私もモンテッソーリに出会った時に感動したのを思い出しました。

チャールズが紹介したのは、言語(英語)活動の
・Sound Pouches
・Sandpaper Letters
・Movable Alphabet
の活動。

実際にチャールズが英語でプレゼンテーションをする中で、
カーサ・デ・バンビーニが大切にしている
「英語教育」の考え方をシェアさせていただきました。
英語は、コミュニケーションツールの一つにすぎないこと。
私たちが、自然な環境の中で日本語を学んでいったのと同様な
自然の英語環境と言語習得でなければならないこと、
単語や文を何度も繰り返し読んで覚えることは、
短期記憶を訓練しているだけであって、
コミュニケーションツールとしての言葉の習得ではないこと。



「でも、それだったら、どうやって我が子が英語を理解しているかどうか、わかるの?どうやって測るの?」
というごもっともな質問。

秀逸な回答をくださったのは、カーサ・デ・バンビーニ年長児のお母さん。
「はっきり言って、見えないし、わかりません。」
「それはつまり、私たちが子どもの時に『学習度』のようなものを測られたように評価することはしないから、私たち大人がわからないだけであって、子どもは英語は当然のように理解しているようですし、コミュニケーションもとっているし、教えたことのない単語を読みます。
どのように子どもを信じれるか、だけだと思います。」

素晴らしいご視点だと、心の中で拍手を送りながら、
また、他の保護者からは、
「ここでごく自然な英語環境があるおかげで、
外国に旅行に行っても、街で外国の人や、自分と違う人を見ても、
全くものおじしません。当たり前に英語で話そうとする姿を見て、感動しました。『ほら、英語で喋りなさい』と親が言ってるわけでもないのに。」

という素敵なご意見もいただき、
私が説明するよりも運とわかりやすく、
実体験を踏まえて語ってくださるカーサ・デ・バンビーニの保護者の声に、心が暖かく、感動しました。


そんな英語での言語活動の紹介の次は、
ナミさんによる、感覚教具「三項式」の紹介。
お父さんのお一人に子ども役になってもらいました。
感覚教具を紹介するときのポイントは、
できるだけ、しゃべらないこと。
感覚的に子どもに気づいてほしいから、
手を動かし、教具が訴えてくる視覚的なものに注目します。
三項式は、3つの項のたし算の三乗が、具体物(立体)になっている教具です。
どこを切っても同じ3つの項が出てくるのにまたまた感動。
(一体、誰がこんな教具を考えついたんだろう。)
いつも思う疑問。その答えはもちろんマリア&息子のマリオ・モンテッソーリ。
本当によくできています。

ひと通りのプレゼンテーションが終わった後に、
保護者の皆様からいい感想をいただきました。
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Movable Alphabetを体験してくださったお母様から、
「子どもに『今日何のおしごとしたの?』と聞いても
あまり答えてくれなかったのが理解できました!
私が今体験したおしごとを説明しろって言われても、
言葉で言うのは難しい!!大人でもこんなに難しい説明を、
子どもにしろって言ってたことに気づきました!!」

そうなんです。
モンテッソーリ活動の「あるある」なのですが、
すごく複雑な活動をしても、
子ども本人たちは、それがなんというタイトルの活動なのかを知らないし、
説明するには、保護者と共通にもっている知識が違うし(例えば、1の位のカラービーズの色の順番。私たち、子どもたちは、「8は茶色。茶色は8」と知っていますが、保護者は知らないですものね。)、
うん、説明のしようがないってことですね!

仮に、子どもが教具名や活動名を言ったとして…
「数字と玉」
どんな活動か、想像もつきませんよね(笑)。

そんな質疑をいただきながら、
私も、もっともっと保護者に伝えていかないといけない。
保育参加や、保育面談でできる工夫がもっとあるはず!
と気づかさせていただきました。
ありがとうございました。

最後に、NPO法人Scuola dei Bambiniより告知と小学校のことを話してもらい、今回のママとモンテ♫は大成功のうちに終えることができました。



お越しいただいた保護者の皆様、
狭い園内で、お見苦しい点もあったかとは思いますが、
暖かなお気持ちで見守って聞いてくださったことに
心より感謝申し上げます。

そして、当日ママとモンテ♫開催のために集まってくれた
スタッフの皆、保育体制を整えてくださり、また私の拙い説明の補足をしてくれて、本当にありがとうございます。

数ある保育園の中で、
定員もとても少ないカーサ・デ・バンビーニと、RIVERWALKこどもの家を選んで来ていただいた、
保護者の皆様、職員に、感謝の気持ちでいっぱいです。

これから先も、共により良い世界を作っていきましょう!

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