子どもたちにこれから必要になるスキル(生きる力)
私は高校時代、イギリスへ留学しました。
そのとき感じたのは「筆記試験をすれば日本人は上のクラスに配置される」ということです。
日本人は中学・高校の英語の時間、文法をしっかり勉強してきているのでペーパーのテストでは上位となるのです。
意気揚々とクラスに入った私は、出鼻をくじかれます。
「それで、あなたの意見をちょうだい」と先生に質問され、
自分の意見が言えない。話せないのです。
それもそのはず。
日本では「自分の意見を言う」という訓練がされていません。
そのため、英文法問題や選択問題がどんなにうまく解けても、
自分の意見をアウトプットできない。全く話せないのです。
その結果、他の国から来たクラスメイトたちにあっという間に論破されてしまいました。
おそらく日本人は、たとえ母国語の日本語であったとしても、自分の意見を発信するということを苦手としている方が多いのではないでしょうか。
自分の意見に自信が持てず、周りを見渡して無難なことを発信する、いわゆる「受け身」の学びが主体となっているためです。
モンテッソーリでは、6歳までのいわゆる「幼児期」といわれる時に、日常生活の中で、「おしごと」を通じて自己決定をする機会がたくさんあります。
自己決定の積み重ねをすることで「これでいいんだ」「ここはもう少しやり方を変えてみよう」「次はこれを試してみよう」など、自分で工夫を重ねたり、選択肢を用意するようになります。
工夫や選択肢を自ら生み出すチカラ。
それが「生きた学び」となるのです。
ひとつひとつの「生きた学び」が高い自己肯定感をつくりあげることにつながり、その後の学びをより主体的なものへと変えていきます。
そのためには、小さい頃からの継続的な訓練が必要で、
これからの日本を担う子どもたちが、何がなんでも身に着けなければならないスキルの一つだと強く感じています。