モンテッ子は優秀⁈
モンテッソーリ教育法には、妊娠期〜3歳までの発達を図解化した、以下の2つのタイムラインがあります。
①プレナタル・タイムライン
②PSMD(心理感覚運動発達)タイムライン
モンテッソーリ教師養成のトレーニングコース(0-3レベル)では、数メートルある紙をもらい、このタイムラインを自分で作って行きます。
①プレナタル・タイムラインは、生まれる前の赤ちゃんの発達を表にしたもの。妊娠の瞬間から、40週まで。
いつ頃からどんな器官が発達していくのか、どんな音が聞こえているのか、いつから感覚があるのかなど、胎内で自ら「人間の体」を創り上げていく赤ちゃんの生命の偉業が記されています。
新しい命が芽生えた時の大人の姿勢は、その子の命に関わることがわかります。
このプレナタル・タイムラインは、モンテッソーリ教育において、発達段階の第3段階にいる「思春期」の子どもたちに、命のレッスンをするのにも使われます。
「記憶」もちろんこれは、意図的に呼び起こすことのできない「記憶」を指しますが、細胞の中に残る「記憶」は、受精の瞬間から、始まっているのですね。
②PSMD(心理感覚運動発達)タイムラインは、生まれたその日から、3歳になるまでの「粗大運動(体の大きな動きや発達)」と「微細運動(指先などの細かな運動発達)」の両方の側面から描かれたものです。
適切な時期に適切な環境があれば、このように発達を遂げていきます。
先日バースセンターにやってきた赤ちゃん連れのママが、この2つのタイムラインを見て、こう言いました。
「このタイムラインの通りに教具をやっていったら、超優秀で秀才な子になりますか!?」
さて、この問いを皆さんはどう思われますか?
忘れてはいけないのは、モンテッソーリ博士は医者であったこと、医者のもつ優れた観察眼を通して、モンテッソーリ博士は子どもの本来の発達とその姿を発見しました。
このタイムラインは、それを図にしたもの。
もう一度言います。子どもの本来の発達の道筋です。
子どもは、自己教育力をもって生まれてきます。
それは幼い子どもが、大人が教えたりタイミングを示唆しなくても、ひとりでに立ちあがろうと懸命に努力したり、何度失敗しても「歩けるようになるのを諦める」子がいないように、
また、言葉を喋り出すのに「語学学校」がいらないように、自分で自分を人間たらしめるため、
生まれ落ちた環境に適応するために自分を教育する力です。
その自己教育力を最大限に引き出すためには、子どもの発達欲求に応じた環境が必要です。
自由に動き回って背中を創りあげないといけない時期に、ずっと抱っこ紐の中にいたり、ベビーベッドに囲われていたりしたら、発達させるべきものが発達しません。
足腰をたくさん発達させたい時期に、便利なベビーカーに乗せっぱなしだと、十分な発達がなされず、3歳頃になると、すぐ安易に「疲れた」「抱っこ」と言います。
危ないから、怪我をしてはいけないから、まだ早いから、時間がないから、と言って、子どもから全てを取り上げてしまったら、子どもが本来の発達を果たすのに必要なモノを全て奪ってしまっているということなのです。
大人は干渉しすぎず、発達の邪魔をせず、その発達ファーストに考え、物と人間力、愛情でサポートすれば、子どもは敏感期に助けられて自然にできるようになることがたくさんあるのです。
それを一覧にしたものが、このタイムライン。
(ここで言う愛情は、子どもの「代わりに」何でもしたり、守りすぎたりすることではありません。過保護や過干渉、完璧主義は、目には見えない「虐待」と同じです。)
①のプレナタル・タイムラインをもう一度見てみましょう。
お腹の中の赤ちゃんに向かって大人は、「そろそろ聴覚器官を作りなさい」とか、「指は5本に分けなさい」とか、「それはしちゃだめ」とか、果たして言うでしょうか?
まさか!言うわけないですよね。
そう言うかわりに、お母さんが、栄養のある旬のものを食べ、規則正しい生活をして、できるだけストレスなく過ごす。
それだけで赤ちゃんが本来の発達を成しとげ、生まれるまでに十分な成長をするのを支援しています。生まれてからも、全く同じことが言えるのです。
このタイムラインを見た時、
7ヶ月で両手が使えるようになり、
1歳半でボタンの付け外しができるようになり、
2歳前に縫いさしができるようになる。
3歳になる頃には完全に自立した生活、自分で服を着て、自分の食べるものを用意して、自分の過ごす環境を掃除したり整えたりすることができるようになる、と書いてあるのを見たら、驚く人も少なくありません。
しかし、これが、実際に可能なのです。適切な環境と支援があれば。
特別な秀才なんかではなく、「本来の発達」なのです。
私も人間ですので、干渉しすぎたりすることもあります。その度にこのタイムラインを思い出し、子どもの本来の発達を妨げているのは他でもない、私。と反省することも時々(多々!?)あります(笑)。
そんなことがあっても、大丈夫。
でも知っているのと知らずにやっているのでは大違い。無知はコスト(代償)を伴います。その代償が子どもにふりかからないようにしたいものです。
0-3歳、 3-6歳、 小学校期、 中高生期。
それぞれの時期で自らを最大限に発達させるために必要なものがあります。そしてそれを知っているのは、自己教育力の備わった、子ども自身なのです。
大人は、観察し、環境を準備し、子どもの心の声に耳を傾け、できるようになるのを信じて、待つのみ。
いくつになっても。
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NPO法人Scuola dei Bambiniが発足いたしました!
未来を生きる子どもたちのための、小学部プログラムが始動いたします!!!
モンテッソーリ教育で育った子どもたちにはドストライクな学校です。
この活動に興味がある方、応援してくださる方を募集しています。
◯教員
◯親
◯日本の教育に少し違和感や疑問を感じている人
◯新しい教育にチャレンジしたい人
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◯インクルーシブな人(本人・支援者)
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◯プロジェクト学習な人(やってる人・やってみたい人)
◯アウトドアな人
◯子どもの力を信じる人
◯モンテッソーリ教育な人
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