モンテッソーリ教育を経た6歳児

カーサ・デ・バンビーニは、2歳〜6歳、小学校就学前までのプログラムですが、
開園から3年経った今、小学校への興味がふつふつと湧いてきています。

マリア・モンテッソーリが晩年に、6歳から12歳児のことを書いたこの著書は、
0歳から6歳児のことを書いた“EDUCATION FOR A NEW WORLD”からつながっています。

ここには、モンテッソーリのクラスを卒業した6歳児が、どのような準備ができてあるかがかいてあります。

(抜粋)
「モンテッソーリのクラスを卒業する6歳児は、もともとそれに続くコースがくふうされていますが、すでに多くの文化的興味をもっており、秩序と普通の子どもにとってはしばしばひとつの障害となる数字に対してさえ、ある種の深い情熱をもっています。」

このような子どもたちの知的好奇心に応えるために、私たち大人はどのような環境を用意してあげれるでしょうか。

善と悪を含む様々な事情を受け取るだけでなく、「なぜ?どうして?」と世界の事象に理由を求め、合理的知識の獲得を必要とし、自分独自の判断を必要とする年代へとなっていくのです。

また、大人が「何を教えるか」ではなく、子どもの内なる精神的食欲を満たすために、全てのものを子どもの前に並べることが必要になります。
また、子どもは選択の自由をもたなければならないのですが、そもそも自分の興味を知っている必要があり、さらに「自ら選ぶ」ことが習慣になっていなければ、そのような自由は有効ではありません。

(抜粋)
「モンテッソーリの学校で育ってきた6歳児は、そのような経験をしないで過ごしてきた子どものように、無知ではないという長所を備えています。かれは、読み方書き方をしっており、算数、自然科学、地理および歴史に興味をもっており、そのためにそれ以上のどんな量の知識も、かれに伝えるのは簡単です!」

ところが。ところがです。
日本の教育システムは、このような子どもたちに対応できる基盤が(大人、教師側に)できているでしょうか?

(抜粋)
「主として抽象的教科を教え諸事実を暗記させている、いわゆる旧式の学校」
とありますが、私たちの知っている「学校」とは、まさにこの「旧式の学校」ではないでしょうか。

この本が書かれたのは、1947年。
すでにこの学校スタイルを「旧式」と言っているモンテッソーリは、子どもの姿から本来の教育のあり方を見据えていました。

日本は、ほとんどの学校、ほとんどの大人がこの「旧式」から離れることができません。
知らないものに対する不安と、自ら経験したことがないゆえに恐れています。

カーサ・デ・バンビーニが目指すものは、教育の多様化です。
最新の脳科学、医学は、次々にモンテッソーリ教育の理論の正当性を証明し、裏付けています。
教育にも選択肢が生まれ、
様々な子どもがその特性を伸ばすことができ、
思い切り学べる場が保証され、
世界を舞台に活躍していける人材が育成されていくような、
そんな社会ができればいいなと、心から願っています。

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