モンテッソーリ教育といえば「おしごと」。園で子どもが夢中になってる「おしごと」紹介します。
モンテッソーリ教育の代名詞とも言える「おしごと」。
クロススティッチや4ケタの数字のズラーっと並んだもの、世界地図など、目にしたこともあるかと思います。
ついつい、そんな華やかなおしごとに目がいきがちですが、
全てのおしごとは「日常の色々なことを」「自分で」「順序立てて」できるようになるのが、大前提であり基盤となっています。
始まったばかりのカーサ・デ・バンビーニで、2歳、年少さんが取り組むおしごとを紹介します。
靴・靴下をはく
最初は、どこを掴むか、どこを伸ばして足を入れるかもわかりません。自分の目と手を協応させ、徐々に自分ではけるようになります。一旦コツを掴むと早い!!ささっと自分で履いてママを玄関で待つようになります!
靴を揃える
綺麗に揃えることで、秩序感が育ち、満たされます。また、自分で揃えると靴の左右がわかるようになります。
運ぶ
「運ぶ」というのも立派なおしごと。両手を使って、しっかりと持ち、落とさないように運びます。バランス感覚や、体幹が養われていきます。
机を拭く
腕の大きな運動、机が綺麗になる達成感を感じれます。
花の水やり
重いピッチャーや、ジョーロを、水をこぼさないように運ぶための全身運動、自然への思いやりが育まれます。
花を生ける・飾る
小さな花瓶に水をあけ移すための微妙な腕と手の運動になるだけでなく、美的感覚も養われます。
砂を掃く
細かい砂を一ヶ所に集め、ちりとりでとる。しゃがんだり、立ったり、集中して見たり集めたり。夢中になっています。テラスでは、思う存分、満足いくまでいつまでもできるおしごとです。
テーブルセッティング
おやつ、ランチのテーブルセッティングは自分たちでします。何をどこにおくか一目でわかるよう、手作りのマットを使用しています。とても美しくテーブルをセットし、自分自身が達成感に満たされるだけでなく、クラスのお友達から「サンキュー」と感謝され「周りの役に立つ嬉しさ」の気持ちが育ちます。
縫う
大人気のおしごとの一つ。本物の針と糸を使って縫っていきます。裏から始めること、針を通す場所、最初は難しいですが、だんだん自分のものにしていっています。
玉結び
「結ぶ」ことも、子どもが自分でしたい!と熱望することの一つです。
穴あけ
尖った穴あけを使って、紙に穴を開けていきます。本物の針や穴あけ、糸切りバサミを1歳さんや2歳さんが使うのをみて驚く方もたくさんいらっしゃいます。
お米を研ぐ
毎日の作業です。季節によって水の冷たさを感じたり、水のなかで触るお米の感覚がたまらないようです。メモリに合わせて水を止める、というのもチャレンジです。
パンをこねる
今後、毎日取り入れていきたいクッキングの一つ。子どもが一人で全ての流れをこなしていけるよう、考えています。パンの焼ける匂いも楽しみ!お昼に焼きたてパンが食べれるのも楽しみ!
ここから先は、日常から少し進んで、感覚・言語・数など、他の領域のおしごとを少し紹介します。
赤い棒
長さを視覚や全身で感じながら、1次元の変化(長い・短い)を識別していきます。長さに触れられる「徹底した具体物体験」が可能になるという、モンテッソーリ教育の特徴。
砂文字
アルファベットは、音で学んでいきます(エービーシーとは教えない)。サンドペーパーの部分をなぞり、文字の形を筋肉記憶で覚えます。
砂数字
砂文字と同じように、数字の形を筋肉記憶する他、数字の順番などを学びます。
などなど、もっともっとたくさんありますが、今在園している子ども達を一番夢中にするものは、やはり「日常生活」のもの。
ふだん、お母さんや先生のやってることを、一緒に、真似して、なんでもしたがります。
やり方さえ、ゆっくりはっきり示してもらえたら、なんでもできちゃう天才!
この日常のいろいろな身体の動きや、生活の中に溢れる道すじ、論理性を基盤にして、世の中の多くの事象に目を向け始めます。
だから、日常の普段の生活を「自分で」できることは、とっても大切なことなのです!
そしてそして。
「おしごと」をしている時の子ども達は、真剣そのもの。ものすごい集中力をみせてくれます。
この集中を邪魔しないよう、自分が心ゆくまで集中して取り組んだ後は、自分で終わりをきめ、
「もうおしまい」
といって、深いため息とともに、表情穏やかに、丁寧に、足音も立てず、教具を棚に戻します。
その時の子どもは、自信と、達成感と、自己肯定に満ちあふれた、イキイキとした姿を見せてくれます。
その姿は、人間が本来もっている真の姿。私たち大人にとって、かけがえのない宝物となるのです。